島根県

隠岐は古来より流刑の地とされ、鎌倉期の後鳥羽上皇・後醍醐天皇をはじめ多くの貴人が流されたが、これにより京文化が伝播して隠岐独自の文化が生まれ、また明治維新期の隠岐騒動にも結びついたと言われる。

室町時代は京極氏や山名氏がこの地の守護大名となった。戦国時代に入ると、守護代であった尼子経久が京極氏を追放し、月山富田城を拠点として中国地方一帯に覇を唱え、たたら製鉄の経営を行った。

またこの時期に開発された大森銀山は、大内氏と尼子氏による熾烈な争奪戦が繰り広げられたが、最終的に毛利氏によって支配され、江戸幕府成立後に幕府直轄領となった。

出雲地方

江戸時代には堀尾吉晴が出雲・隠岐24万石で入封し、松江城を築いた。松江藩はその後は京極氏を経て、徳川家康の流れを汲む結城松平氏の松平直政が入国し、幕末に至った。

石見地方

石見には浜田藩と津和野藩が置かれ、浜田藩は古田重治から松井松平氏、本多氏を経て越智松平氏が、津和野藩は坂崎直盛の後に亀井氏がそれぞれ支配した。

島根県

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松江城【日本100名城】: 35.475131, 133.050785
津和野城【日本100名城】: 34.459995, 131.764269
月山富田城【日本100名城】: 35.364565, 133.181784
浜田城【続日本100名城】: 34.903335, 132.073450
三沢城: 35.203375, 132.962379
白鹿城: 35.499234, 133.054347
山吹城: 35.095122, 132.424908
不言城(ものいわずじょう): 35.067273, 132.346287
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松江城【日本100名城】
松江城【松江市】

山陰地方で唯一の現存天守を持つ松江城。関ケ原の戦いの功績により、出雲を与えられた堀尾吉晴によって築かれた。平成27年に国宝に指定。大きな入母屋破風が際立つ桃山様式の天守は、築城当時のままの姿を残している。



遺構:天守・石垣・堀

国宝:天守

国の重要文化財:天守

復元建築:櫓・門・橋
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津和野城【日本100名城】
津和野城(つわのじょう)【津和野市】

関ケ原の戦い後には坂崎直盛の居城として、江戸時代には亀井氏の居城となる。頂上から眺める風景は格別。麓の津和野高校の周囲には移築された馬場先櫓、物見櫓が現存している。



遺構:石垣・空堀

移築建築:嘉楽園に物見櫓・城跡近くに馬場先櫓が移築現存
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月山富田城【日本100名城】
月山富田城(がっさんとだじょう)【安来市】

月山富田城は戦国時代に山陰の覇者と呼ばれた尼子氏が本拠を構えた城。天然の地形を利用した難攻不落の要塞城。石垣や堀切など良質な遺構が残る。



遺構:石垣・曲輪・堀切・井戸

復元建築:侍所
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浜田城【続日本100名城】
浜田城【浜田市】

江戸時代に古田重治によって築かれた城で、浜田藩の藩庁が置かれた。松平氏や本多氏など譜代・親藩が入れ替わり治め、長州藩に対する山陰側の押さえの最前線として重要視された。天守をはじめとする建物は第二次長州征伐の際に焼失。



遺構:石垣・門(他所より移築)
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三沢城
三沢城(みざわじょう)【奥出雲町】

三沢城は奥出雲の国人である三沢氏の最初の居城と伝わる。現在城址には石垣や堀切などの遺構を確認することができ、本丸跡に城址碑が建てられている。

遺構:曲輪・石垣・土塁・堀切
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白鹿城
白鹿城【松江市】

白鹿城は松田氏の居城で尼子十旗と呼ばれる城のひとつ。毛利元就が出雲に侵攻した際は吉川元春が向城として真山城を改修し攻略した。このとき元就は大森銀山の坑夫を使い地下道を掘らせて井戸を抜いたと伝わる。

遺構:土塁・堀・井戸
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山吹城
山吹城【大田市】

石見銀山の防衛用として築城された。要害山全体が城域で頂上付近に本丸がある。城址には19本以上確認できる畝状竪堀群や土塁、空堀、石垣などの遺構が残っている。「石見銀山遺跡」に含まれており、国の史跡に指定されている。



遺構:空堀・土塁・井戸・石垣

移築建築:市内の西本寺に城門が移築現存
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不言城(ものいわずじょう)
不言城(ものいわずじょう)【大田市】

物不言城は毛利元就の家臣で石見吉川氏当主・吉川経安の居城として知られている。現在は登山道が整備され、土塁や石積などの遺構が残る。居館跡から本丸につづく山腹には、山城では珍しい番所跡がある。

遺構:曲輪・石積・番所跡