石神井城@東京都

昨日の大雨から一変して、晴天となった日曜日。
新しいマウンテンバイクを購入したので、自転車で約40分程かけて練馬区の石神井城へと向かいました。
石神井城は豊島氏の居城の一つ。
豊島氏は平安時代末期から室町時代中期にかけて、現在の台東区・文京区・豊島区・北区・荒川区・板橋区・練馬区・足立区あたりで勢力を誇っていました。
石神井城の周りを流れる石神井川。
川は防御、生活、物資流通など城造りには欠かすことのできないファクターとなります。
石神井は開発が進んで、綺麗な住宅街となっています。
石神井城跡は現在、石神井公園となっており花見シーズンということもあり、多くの人が各々の時間を過ごしていました。
池に浮かぶ森が石神井城となります。

橋を渡れば石神井城の内郭入口です。
橋の前には石碑があり、漢字が薄く羅列しているので何て書いているのかは分かりませんでしたが「城」や「道灌」の文字は読み取ることができたので、石神井城に関する内容を記した石碑と思われます。
橋の右側。
石神井公園全体が整備された池が広がります。
こちらは三宝寺池で、石神井城の水濠でした。
つまり、三宝寺池と石神井川に挟まれた台地に石神井城は築かれていたことになります。
堅固な城だったと思われますが、室町時代の1477年に太田道灌に攻められ落城。その後廃城という結末を迎えます。
橋の左側。
草木が生い茂った場所が石神井城の内郭です。
石神井城跡の石碑。
この裏が内郭の土塁となります。
石碑の脇から階段を登っていきます。
内郭跡はフェンスで囲まれていて入ることができません。
高く土塁が盛られているのはフェス外からでも確認できます。
階段の先は広場となっています。
石神井城は四角く区画した曲輪がいくつもあったらしいので、小高いこの辺りも曲輪だったと思われます。
内郭跡は一段高くなっており、曲輪の周りは空堀で防御されているのが分かります。
発掘調査で土塁を崩して空堀を埋めていることが判明しており、踏み固められていることから、廃城後は道として利用されていたと考えられています。
発掘調査で当時は堀幅11.6m。堀底幅3m。深さ6.1mと推定されています。
6mオーバーの高低差なら、かなり立派な空堀だったと思われます。
当時よりも低くなっているものの、この内郭の空堀と土塁は状態が良く、東京都の指定史跡となっています。
現在、史跡を保存する為に養生期間として立ち入りができなくなっています。
せっかくなので、可能な限り内郭の周りを歩いてみます。
水濠の裏側は公園に通じる道となっていますが、土塁の形と高さをより感じることができます。
いい感じの細道ですね。
個人宅の長屋門もあり、かなり雰囲気が良き。
続いて三宝寺池の周りを少し歩きます。
池の周りは高い土の壁が続きます。
遺構なのかは不明ですが、この池自体が石神井城の水濠であったことを考えると、遺構なのではないかと想像してしまいます。
三宝寺池に橋が架かっており、橋の先には厳島神社があります。
詳細は不明ですが、江戸時代にはあったと資料に残されています。
厳島神社からの景色は素晴らしい。
桜も綺麗に咲いていて、心が和みます。
続いて石神井城の裏手にある三宝寺に向かいます。
石神井城に来たら必ず寄って頂きたいスポット。
何か遺構がないか歩いていて、たまたまこの山門を目にしたので立ち寄りました。
一目で分かる只者でない威厳ある四脚門。
この門の正式名称は御成門。
文字からもその凄さを感じます。
江戸幕府三代将軍 徳川家光が鷹狩りの際にこの寺に立ち寄ったことで、御成門と名付けられました。
境内最古の建築物で、1827年に建立。
城郭建築でも山門はありますが、彫刻を見ると寺院建築らしさを強く感じます。
守護・魔除けとされる獅子。そして、悪夢を食べるとされる空想動物の獏も彫られています。
寺の中央には鐘楼堂があり、この梵鐘自体は1675年の鋳造で、練馬区指定文化財に指定されています。
続いて本堂。
江戸時代と明治に消失しましたが、昭和26年に再建されました。
軒から破風と彫刻。
よく見ると手前の横架材の両端部は天女になっています。
5分ほど芸術的な彫刻に見惚れてしまいました。
我々歴史・城好きにとっては大好物の物がこの三宝寺には移築されています。
年季の入った長屋門。
城門クラスの大きな長屋門は、幕末のキーポインターとなる勝海舟の屋敷にあった長屋門がこの地に移築されているのです。

たまたま通りすがったお寺にこんな素晴らしい物があるとは思っておらず感激しました。
この移築長屋門は有名なのでしょうか。
全くPRされることもなく、ひっそりと鎮座しているので、存在を知らない方も多いかもしれませんね。

もはや城門といってと分からないほど、立派な門です。
1960年に解体移築されたそうです。

門扉も重厚感があり、かなりシブいです。
石神井城に来た際はセットで寄るべきスポット。
石神井城はあまり遺構が残ってはいませんが、確実に城の雰囲気を味わうことができます。
石神井城の説明看板を見て、城があったらしいよ。と会話している方を多く見かけました。
石神井公園として認知されているので、石神井城の存在はだいぶ薄めですが、区内に残る城跡としては江戸城を除けばかなり状態が残っている方だと思います。
桜も見ることができ、満足の1日となりました。
絶好調のマウンテンバイクでまた都内を散策したいと思います。